家庭用太陽光発電の自家消費について分かりやすく解説。自家消費で太陽光発電がもっとお得に使える!

こんにちはハッチです。

太陽光発電は自家消費が大事って言われるけどどういうこと?自家消費について詳しく知りたい。

今回は、このように自家消費についてよく分からないという人に向けて記事を書きました。

現在、

  • 売電価格の低下
  • 電気代の高騰

これらの状況によって、自家消費の重要性が増しています。

自家消費について正しく理解することができれば、

“太陽光発電をより効果的に使うことができて経済効果も大きくなります”

自家消費についてできるだけわかりやすく解説していますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

この記事を書いた人
  • 30代会社員、妻(専業主婦)と子ども(3歳)の3人家族
  • 太陽光発電アドバイザー資格保有
  • 家は一戸建でオール電化
  • 2022年10月にリフォームローンを組んで太陽光発電を設置
  • 保証期間内(15年間)で得られる経済的メリットは約150万円の見込み

太陽光発電の経済効果を紹介】

【2023年の年間実績】
売電収入:+126,633円
節電効果:+96,389円
ローン支払:-119,284円
収支:+103,738円
実質負担なしで電気代を安くできています!

売電収入とローン支払いを差し引くと、
+7349円になります。

つまり我が家は、“7349円受け取りながら、電気代96,389円を削減”できたことになります。

太陽光発電で失敗しないためには“相見積もりが必須”です。

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目次

家庭用太陽光発電の自家消費について知ろう

家庭用太陽光発電の自家消費とは、自宅で発電した電気を自宅で使うことです。

発電した電気を自宅で使うことで、電力会社から電気を買う量が減り、電気代が安くなります。

これが“太陽光発電の自家消費による経済効果”になります。

家庭用太陽光発電の場合、発電した電気はまず“自家消費が優先”となり、

自家消費しきれなかった分が、売電にまわる仕組みとなっています。

自家消費と売電している状態

発電量よりも、自宅で消費する電気量が多くなった場合は売電はゼロで、電力会社から電気を購入することになります。

自家消費と電力会社から電気を購入している状態

売電収入がたくさん欲しいから発電した電気は全部売りたい。

このように考えていたとしても、残念ながらそれはできません。

売電収入がたくさん欲しい場合は、発電した電気をできるだけ使わないという方法しかありません。

ただし、できるだけ売電に回すというのはおすすめしません。
(理由は後で詳しく解説します)

太陽光発電の2つの自家消費率

続いて、自家消費の中でも知っておいてもらいたい、自家消費率について解説していきます。

自家消費率とは、自家消費した割合のことで、

家庭用太陽光発電においては次の2つの自家消費率があります。

2つの自家消費率
  1. 発電量に対する自家消費率
  2. 使用量に対する自家消費率

発電量に対する自家消費率

発電量に対する自家消費率とは、“発電した電気のうち何%自家消費したのかという割合”です。

一般的に自家消費率というと、こちらの発電量に対する自家消費率を意味することが多いです。

発電量に対する自家消費率は、

自家消費量 ÷ 発電量

これで計算できます。
(※自家消費量は発電量 − 売電量で計算できます)

我が家の場合だと、

  • 年間発電量 9947kwh
  • 年間売電量 7238kwh
  • 年間自家消費量 2709kwh

2709kwh ÷ 9947kwh = 0.27 = 27%

発電量に対する自家消費率は27%になります。

発電量に対する自家消費率は、電気の使い方によって差は出ますが、

日中に使用できる電気量には限りがあるので基本的には、

“発電量が多くなるほど自家消費率は低くなる傾向”にあります。

発電量に対する自家消費率は、設置容量5kwで30%ほどが平均と言われています。

使用量に対する自家消費率

使用量に対する自家消費率とは、

“自宅で使用した電気のうち、太陽光発電でまかなうことができた割合”のことです。

以下の写真のように、モニターに表示されている自家消費率は、使用量に対する自家消費率です。

使用量に対する自家消費率が表示されているモニター画像
使用量に対する自家消費率(赤枠部分)

使用量に対する自家消費率は、自家消費量を使用量で割ることで計算できます。

我が家の場合だと、

  • 年間電気使用量 6351kwh
  • 年間買電量 3642kwh
  • 年間自家消費量 2709kwh

2709kwh ÷ 6351kwh = 0.43 = 43%

使用量に対する自家消費率は43%になります。

発電量が多いほど、太陽光発電でまかなうことができる量も増えるため、

使用量に対する自家消費率は、“発電量が多いほど高くなる傾向”にあります。

設置容量が多いほど、曇りの日や発電量の少ない時間帯でも太陽光発電でまかなえる電気量は多くなります。

蓄電池なしで自家消費率は平均どのくらい?

発電量に対する自家消費率の平均は“太陽光発電5kwで30%”と言われています。
(蓄電池なしで太陽光発電のみの場合)

太陽光発電5kwhの年間平均発電量は6000kwhほどになるので、

年間1800kwhが自家消費量の平均となります。

5kw年間平均発電量6000kwh
5kw平均自家消費率30%
5kw平均自家消費率1800kwh

自家消費量がどのくらいなのかX(旧Twitter)でもアンケートを取ってみました。

アンケート結果から各家庭によって自家消費量はバラバラであることがわかります。

自家消費量は各家庭の生活スタイルによって大きく変わってきます。

自家消費の平均はあくまで参考程度にしておきましょう。

売電と自家消費はどっちがお得?

ここまで、自家消費について解説してきました。

では発電した電気は、売電するのと、自家消費するのとでは、どちらがお得になるのでしょうか?

答えは、

  • 買電単価よりも売電単価の方が高ければ売電の方がお得
  • 売電単価よりも買電単価の方が高ければ自家消費の方がお得

このようになります。

これを正しく理解するためにも、売電単価と買電単価について知っておく必要があります。

売電単価

売電単価とは、“発電した電気を電力会社が買い取ってくれる1kwhあたりの単価”のことです。

FIT制度を利用している方であれば、設置から10年間は売電単価が固定されており、

単価は設置した年度によって決まります。
(家庭用太陽光発電の場合です。)

FIT制度の売電単価は以下の表のとおりです。

年度売電単価(家庭用)
2014年度
(平成26年度)
37円
2015年度
(平成27年度)
33円
(出力制御あり35円)
2016年度
(平成28年度)
31円
(出力制御あり33円)
2017年度
(平成29年度)
28円
(出力制御あり30円)
2018年度
(平成30年度)
26円
(出力制御あり28円)
2019年度
(令和元年度)
24円
(出力制御あり26円)
2020年度
(令和2年度)
21円
2021年度
(令和3年度)
19円
2022年度
(令和4年度)
17円
2023年度
(令和5年度)
16円
2024年度
(令和6年度)
16円

例えば、我が家の場合だと2022年度に設置しているので売電単価は17円になります。

売電については、毎月電力会社から通知がきて、そこでも売電単価を確認することができます。

売電単価はそこまで難しくないので、単価いくらで買い取ってくれるのか確認してみてください。

買電単価

買電単価は売電単価と違い、計算してみないとわかりません。

また、毎月変動もするので、少し面倒で難しく感じるかもしれませんが、

“買電単価を知ることで、太陽光発電の節電効果が数字として見えてきます。”

まずは電気代の内訳から確認してみましょう。

電力会社や料金プランによって多少違いはありますが、基本的に内訳は以下のようになっています。

この中でも“使用量に連動して上がっていくものが買電単価”で、以下の3つになります。

  • 電力量料金
  • 燃料費等調整額(電源調達調整費)
  • 再エネ賦課金

※2024年4月から容量拠出金反映額が電気料金に追加されました。
容量拠出金反映額は電力会社によって計算方法に違いがあります。使用量(1kwh単価)に連動して計算される場合は買電単価に含める必要があります。

どんな料金なのか、我が家が契約している中国電力を例に確認してみましょう。

電力量料金

電力量料金は、電力会社の各プランによって料金単価が決められています。

料金単価は見直しされることがあり、毎月ではありませんが変動します。

プランによっては、以下のように“時間帯、季節、使用量などに応じて単価が変動”します。

中国電力ナイトホリデーコース:電力量料金単価
中国電力ナイトホリデーコース:料金単価が変動する季節、時間帯

燃料費等調整額

燃料費等調整額は、原油価格や天然ガスなどの燃料価格によって変動する料金です。

単価は電力会社やプランによって異なり、“毎月変動”します。

“単価はマイナスになることもあり”、その場合、料金が引かれることになります。
(電気代が安くなる)

中国電力:燃料費等調整額

再エネ賦課金

再エネ賦課金は、毎年度、経産省によって単価が決められており、“電力会社やプランに関わらず全て一緒”となっています。

売電収入は、電力会社から支払われますが、その資金は再エネ賦課金からまかなわれています。

そのようなこともあって、世間では電気税と言われたりもしています。

2024年度の再エネ賦課金の単価は3.49円”

再エネ賦課金の推移を見てみると、2023年に一度下がっていますが、年々増加傾向にあります。

再エネ賦課金推移グラフ

買電単価を計算してみよう

それでは、太陽光発電で電気代を削減できる買電単価を計算してみましょう。

我が家が契約している中国電力ナイトホリデーコースで、2024年5月分の買電単価を計算してみます。
(平日昼間の買電単価)

電力量料金単価46.98円
燃料費等調整額単価-11.41円
再エネ賦課金単価3.49円
買電単価(合計)39.06円

我が家が契約しているプランだと、平日昼間の買電単価は39.06円になりました。
(基本料金がないプランなので買電単価は少し高めです)

皆さんも自身が契約している電力会社の料金プランで計算してみてください。

売電と自家消費どっちがお得になるか

売電単価と買電単価について解説しました。

それでは、売電と自家消費はどっちがどれだけお得になるのか、我が家を例に見ていきましょう。

我が家の売電単価と買電単価(平日昼間)は以下のとおりです。

  • 売電単価:17円
  • 買電単価:39.06円

つまり、太陽光発電で発電した電気は、

  • 売電:1kwh/17円
  • 自家消費:1kwh/39.06円

この価値で使える(売れる)ことになります。

したがって我が家の場合だと、

39.06円 − 17円 = 22.06円

平日の昼間は、“売電より自家消費の方が1kwhあたり22.06円お得”となります。

現在、売電単価が下落し、電気代が高騰しています。

このような状況から、太陽光発電をここ数年内に設置した人や、これから設置する人は、

“自家消費の方がお得となるケースがほとんどです。”

太陽光発電をより効果的に運用していくためには自家消費が鍵となってきます。

太陽光発電を効果的に運用していくには自家消費率を高めよう

多くの場合、自家消費の方がお得となることがわかりました。

つまり、太陽光発電をより効果的に運用していくためには、

自家消費率を高めることが重要になります。

自家消費率を高めるためには、

  • 昼間の発電している時間帯にできるだけ使用する
  • 発電しない時間帯にできるだけ使用量を減らす

この二つのことが必要です。

ただし、

  • 昼間必要以上に電気を使う
  • 夜間はほとんど電気を使わないようにする

“こういったことは、本末転倒だったり、生活が息苦しくなったりするのでおすすめしません。”

あくまで負担にならない程度にしておきましょう。

それでは、自家消費率を高める具体的な方法を紹介していきます。

エコキュートの湯沸かしを昼間にする

自家消費率を高める方法として一番おすすめなのが、

“エコキュートの湯沸かしを昼間にする”ことです。

エコキュートの昼間湯沸かしは、

  • 夜間電気を買って湯沸かしする必要がなくなる
  • 生活スタイルを変える必要がない
  • 日中在宅していなくてもできる

このようなメリットがあり、自家消費率を高める上で、“最も手軽で負担のない方法”です。

自家消費率を高める方法としては、正直これだけで良いと思っています。

もし、これから新しくエコキュートを設置するという方であれば、“おひさまエコキュート”がおすすめです。

通常のエコキュートは夜間に湯沸かしをするように設定されていますが、

おひさまエコキュートは、昼間に湯沸かしをするように設定されています。

ダイキン公式サイト:おひさまエコキュート

しかし、すでに通常のエコキュート設置しているという人も多いはずです。
(我が家も通常のエコキュートです)

通常のエコキュートは、料金単価の安い夜間帯に湯沸かしする仕様となっており、

湯沸かし時間を自由に設定できれば良いのですが、それができません。

そんな場合におすすめなのが、“時刻ずらし”です。

エコキュート自体の時刻ずらすことで、昼間に湯沸かしするようにします。

現在時刻は昼間だけど、エコキュートの時刻は夜間という状態にします。

ただし、時刻ずらしには以下のようなデメリットがあります。

デメリット
  • メーカー非推奨で保証対象外となる可能性がある
  • 悪天候などで発電量が少ないと逆に高くなってしまう可能性がある

時刻ずらしは、デメリットを踏まえた上で行うようにしましょう。

我が家では今のところ不具合もなく、電時代を安くすることができています。

発電している間に家事をできるだけして、不在の場合は予約機能を使う

日中在宅している方であれば、“家事をできるだけ発電している時間帯に行う”ことで、自家消費率を高めることができます。

ただ、共働きなどで日中不在という家庭も多いはずです。

そんな場合は、家電の予約機能を使うと良いです。

以下のような家電には予約機能がついていると思います。

  • 洗濯機
  • 乾燥機
  • 食洗機
  • 炊飯器

こういった家電の予約機能を使って、“発電している時間帯に稼働”させるようにしておけば自家消費率を高めることができます。

ただ、日中不在の方だと、

  • 洗濯が終わった後、すぐに洗濯物を干せない
  • 炊き立てのご飯が食べれない

こういった“デメリットもある”ので、あくまで無理のない範囲で良いと思います。

我が家もできる範囲内で日中家事をして、帰宅時間に合わせれる時だけ予約機能を使っています。

電気自動車に充電をする

電気自動車と太陽光発電の相性は抜群です。

“電気自動車の充電を発電した電気で行う”ことで、自家消費率を高めることができます。

ただし、以下の2つのデメリットがあります。

デメリット
  • 発電している時間帯に自宅に車がないと太陽光発電で充電できない
  • 充電時にロスが発生し、発電した電気が無駄になってしまう

日中はほとんど家にないという方は太陽光発電での充電は難しいです。

また、電気自動車は充電時にロスが発生してしまいす。

我が家にはまだ電気自動車がないため、データはありませんが、

実際に電気自動車を導入されている方の情報だと、充電時に約25%ほどロスが発生しているみたいです。

ロスが発生すると発電した電気を捨てることになるので、もったいない気がしますね。

ただし、25%程度のロスは発生するものの、

“売電単価と買電単価の差が大きいので自家消費率を上げる方がお得”となります。

発電した電気50kwhを売電した場合と、電気自動車に充電した場合の比較

  • 売電
    50kwh × 16円 = 800円
  • 電気自動車に充電
    37.5kwh(50kwhの25%ロス) × 30円 = 1125円 

自家消費率を高めるために蓄電池を設置するのはアリ?

自家消費率を上げるために蓄電池を検討する人も多いはずです。

太陽光発電・蓄電池の営業でも、

今は売電価格が下がっていて電気代も上がっているので蓄電池をつけないと損ですよ。

このように言われることがあります。

たしかに、蓄電池を設置することで自家消費率は大きく良くなります。

しかし、“自家消費率を良くする目的で蓄電池を設置するのはおすすめしません。”

なぜなら、“蓄電池は保証期間に元を取るのが難しいから”です。

蓄電池の経済効果は以下の2点です。

蓄電池の経済効果
  • 売電単価と買電単価の価格差
  • 夜間電気料金単価と昼間電気料金単価の価格差

この2つを利用することで、経済効果を得ることができます。

しかし、“現在の蓄電池の価格はまだまだ高く”、この二つの経済効果で元を取ることは難しいです。
(※補助金などで、割安に設置できる場合を除きます)

現時点で蓄電池を経済目的で設置するのはおすすめできません。あくまで災害対策として設置するものです。

詳しくはこちらの記事を参考にしてみて下さい。

まとめ

現在の家庭用太陽光発電は、間違いなく“自家消費の時代”です。

自家消費で支出を減らすことができれば、他のことにお金を回せるので、

収入が入ることと効果は一緒です。

しかし多くの人は、現金が手に入る売電に注目しがちで、太陽光発電というと、

売電単価が下がっているから今から設置しても遅いよ。

このような意見をよく耳にします。

しかし、自家消費を正しく理解すれば、これが間違っていることがわかるはずです。

証拠として我が家の太陽光発電収支を全部公開しています。

自家消費について知っている人と知らない人では、

  • 太陽光発電を設置すべきかの判断
  • 太陽光発電設置後の運用効果

これらに大きな差が出ます。

現在、太陽光発電についてさまざまさ情報が出回っています。

その中には、正しい情報もあれば、“明らかに間違った情報”もあります。

情報があふれる時代だからこそ、自身で正しい情報を見極める力が重要ですね。

当ブログでは、この他にも我が家の実体験をもとにした家庭用太陽光発電に関する情報を発信しています。

何か分からないことなどあれば、お気軽にお問い合わせください。

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